贋者
鏡越しに僕を確認する
「今日の僕に不備はありませんか」
人生の中で幾度となく自問自答する
見えているから本物ですか
それは己が作り出した冀望でしかないのに
今日もまた こんにちわ
この世界を壊してみたら
そこにいる僕はどうなってしまうのだろう
感情線をなぞるように
爪を食い込ませる
これまでの精いっぱいの愛情と
これからの殺意をこめて
殺してみてもいいかな
親愛なる 僕 へ